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‘コラム’ カテゴリーのアーカイブ

★ 長~いアーティスト名と覆面グループ ★

2024年6月26日

★ 長~いアーティスト名と覆面グループ ★

 

先日入荷しましたLPレコード『これぞブッダ・サウンド』。

一見ごく普通のコンピレーション・アルバムですが、

その中に特筆すべきアーティスト名を発見しました。

その名も

ロック・アンド・ロール・ダブル・バブル・トレイディング

・カード・カンパニー・オブ・フィラデルフィア19141」

おそらく全米チャート史上最長のグループ名です!

(シングル盤発売の際の表記は、

ダブル・バブル・トレイディング・カード・カンパニー

と短縮されてました)

 

 

実は彼らは実態のないスタジオ・ミュージシャンの集まりで、

ブッダ・レコードのバブルガム・サウンドのグループは

殆どが実態のないグループでした。

(レモン・パイパーズを除いて)

リード・ヴォーカルも概ね使い回しで、

上記グループの「バブル・ガム・ミュージック」は

どう聴いてもオハイオ・エクスプレスのヴォーカルと同じ声です。

(正体はソングライターでもあるジョイ・レヴァイン)

当時は実態のないいわゆる覆面グループは結構存在しており、

「恋のほのお」のエジソン・ライトハウス、

「トレイシー」のカフ・リンクスや、

デビュー当時のグラス・ルーツもそうでした。

またバタースコッチ、ストーミー・ペトレル、スピナッチ等も

当初は正体が明かされていませんでしたが、

後にいずれも有名プロデューサー・チームであったことが

明らかになっています。

 

考えてみれば日本でこの覆面グループの概念を実行に移した

草分け的グループは、フォーク・クルセダーズでしょう。

彼らは人気絶頂時にザ・ズートルビーの変名で、唯一のシングル

「水虫の唄 / レディジェーンの伝説」を残しています。

当初は正体を明かしていませんでしたが、

後にフォークルのTV番組の中で、

彼ら自ら正体を明かしています。

 

 

さて長~いアーティスト名の話に戻りますが、

実は上には上があるもんで、単独のグループ名としては

上記のグループが全米チャート史上最長と思われますが、

〇〇&✕✕といった感じのアーティスト名を含めれば、

おそらく ノーマン・グリーンバウム・ウィズ・

ドクター・ウェストズ・メディシン・ショウ&ジャンク・バンド

が最長と思われます。

 

 

★ R.I.P. 音楽プロデューサー 佐藤剛さん ★

2023年6月23日

★ R.I.P. 音楽プロデューサー 佐藤剛さん ★

 

音楽プロデューサーの佐藤剛さんが逝去されました。

 

佐藤さんは、THE BOOMをはじめ多くのアーティストのプロデュースを手がけ、また由紀さおりさん&ピンク・マルティーニのアルバム「1969」を制作されました。また「上を向いて歩こう」「黄昏のビギン」「ヨイトマケの唄」などの名曲が、世に出るまでのストーリーを詳細に綴った書籍も書かれています。

 

特に「黄昏のビギン」について書かれた『「黄昏のビギン」の物語~奇跡のジャパニーズ・スタンダードはいかにして生まれたか』は、僕にとっても大きな意味のある一冊です。当時佐藤さんは「黄昏のビギン」に関する様々なエピソードを投稿しておられ、とても興味を持った僕は「黄昏のビギン・ストーリー」というタイトルの、生演奏+トークによるイベントを企画していました。するとほぼ同時進行のタイミングで、佐藤さんが「黄昏のビギン」に関する書籍を出版されるとお聞きしました。そこでフェイスブックを通じて佐藤さんに連絡を取り、「黄昏のビギン・ストーリー」というイベントを企画している者ですが、イベント内で佐藤さんの本から引用させていただき、引用元として佐藤さんの『「黄昏のビギン」の物語』を紹介させていただいてよろしいでしょうか?とメッセージを送ったところ、とても丁寧な文面で快くご承諾いただき「出来れば私自身もそのイベントに参加したいくらいです。」との暖かいお言葉までいただきました。「黄昏のビギン」は現在に至るまで、僕が昭和歌謡イベントを企画する際には毎回オープニングで取り上げ、佐藤さんが書かれた曲にまつわるエピソードも併せてご紹介しています。

 

その後も佐藤さんと直接お逢いする機会はありませんでしたが、何度かメッセージでやり取りさせていただきました。佐藤さんが書かれる投稿は、毎回貴重なエピソード満載で楽しみに拝見しておりました。最近はなかなか投稿が無いので心配しておりましたが、闘病生活を送っておられたそうで、残念なことに先日70歳の若さで帰らぬ人となりました。まだまだ佐藤さんから音楽について、たくさんのことを教えていただきたかったです。

 

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

                    中嶋ひろ志