ラジオのベストテン番組あれこれ
★文化放送『全国歌謡ベストテン』
前回にも書きましたが、文化放送の『全国歌謡ベストテン』の資料を送って下さっている方がいらっしゃいまして、その方から続報が届きました。僕がその番組を聴き始めたのは1967年の1月くらいからですが、実際に資料が残っていたのは2月12日付からでした。今回お送りいただいたのは1966年あたりが中心で、僕が歌謡曲を聴き始めたばかりの特に知りたかった頃のランキングの動向がほぼ完璧な形で揃っていました。
特に際立っていたのが橋幸夫さんの「雨の中の二人」の群を抜く強さでした。同曲の大ヒットぶりはテレビ番組の『TBS歌謡曲ベストテン』などで既に知ってはいましたが、2月のまだ寒い時期にベストテン入りし、なんと梅雨シーズンの6月までヒットが続きました。『全国歌謡ベストテン』ではベストテン23週、トップは7週ですがなんと3度トップの座に返り咲いています。特に一旦6位まで下がりながら巻き返し、6月に入って3度目のトップ返り咲きを果たしています。三田明さんの「アイビー東京」もトップ返り咲きを果たし、強さが目立っています。今回の資料で三田明さんのトップ獲得曲数は18曲まで確認出来ました。また西郷輝彦さんは1966年度のトップ獲得数は4曲ですが、ベストテン入りした曲は9曲と他を大きく引き離しています。「この虹の消える時にも」「恋のGT」「サンフランシスコ霧の港町」など、下位ながらもベストテン入りしている曲が目立ちます。夏のリズム歌謡の活躍が目立った年でもありましたが、息の長い曲が多く「星のフラメンコ」(西郷輝彦)、「恋と涙の太陽」(橋幸夫)、「恋のアメリアッチ」(三田明)はいずれも12月までベストテンに残っています。
全体的には橋幸夫さん、舟木一夫さん、西郷輝彦さん、三田明さん、加山雄三さんの5人が圧倒的に強く、女性歌手でのトップ獲得曲はわずかに都はるみさんの「涙の連絡船」1曲のみとなっています。美空ひばりさん、園まりさんが複数の曲をベストテンに送り込んでいますが、いずれもベストテン中位から下位止まりとなっています。完全に男性歌手優位の年であったと言えます。年間ランキングの記載は無かったので、1位10点、2位9点・・・10位1点として独自に集計してみました。数週のみ抜けている週がありましたが、前後のランキングから類推しています。
以下、1966年度の『全国歌謡ベストテン』年間ベストテンです。
1 雨の中の二人/橋幸夫
2 アイビー東京/三田明
3 星のフラメンコ/西郷輝彦
4 恋と涙の太陽/橋幸夫
5 哀愁の夜/舟木一夫
6 高原のお嬢さん/舟木一夫
7 絶唱/舟木一夫
8 恋のアメリアッチ/三田明
9 君といつまでも/加山雄三
10 涙の連絡船/都はるみ